2011年12月22日木曜日

おもてなしの季節

12月も半ばを過ぎて、すっかり冬模様。
庭の紅葉も深紅に燃えています。

何かと気忙しい12月。クリスマスが終わるとあっという間に年末になってしまいます。あれもこれもしなくてはならない事ばかり・・・。そんな時こそ、ちょっと立ち止まって気持ちに余裕を持たせませんか?お世話になったあの方に、可愛い小物はいかがですか。また、年賀のご挨拶にちょっと洒落た器をひとつ贈るのも良いものです。
今年の終わりは、そんな小粋なものをご紹介いたします。


●藤ノ木土平作
朝鮮唐津焼のカップ&ソーサー11500円
  カップ径8.5cm
●新美吉昭作
チョコレートが似合う粉引の小皿3670円
  径11cm
●田中道子作
大島紡のティマット1200円
大島紡のコースター600円



●新井倫彦作
鉄釉のラインが都会的な茶碗2100円
径8cm×高7cm
●松浦武利作
横に一口のお菓子を乗せるとお洒落
ケヤキ無垢のティマット1575円
横18cm ×縦12cm(約)







●馬場浩二作
粉引しのぎポット6300円
  径9cm×高12cm
●田中道子作
手編みポットコースター800円  17cm角










●新美吉昭作
粉吹皿 15750円  径20cm
●松浦武利作
木無垢ランチョンマット 6500円
横38cm×縦27cm

●ア・ラ・ターブル作
            ナプキン&金彩紐編リング 900円
ナプキン&紫彩紐編リング 800円              







●藤ノ木土平作
唐津コーヒーカップ 径8cm×高7cm
11550円
●田中道子作
紬ティマット 1200円
紬コースター 600円







●田中道子作
紬バッグ 3000円 
横42cm×深18cm×幅14cm
絹布は軽くてコンパクトに
                              たためるので、バッグに入れ
                              ておくと何かと便利。





冬枯れの葦の中
小春日和の陽に道祖神が
気持ち良さそうです。

2011年12月8日木曜日

何かと気忙しい師走の季節

道祖神の脇に秋の深まりを伝える
ツワブキの花が咲きます。
どことなく和やかな気分にさせてくれます。

下重暁子さんを迎えて
その日は、嵐のような風と雨が吹きなぐり、「私は晴れ女なのに、今日はこんな天気でよっぽどの雨女がいらっしゃるのね!!」という下重さんの一声から、お話会は始まりました。
今年で75歳になられた下重さん。
説得力あるお話に魅了されました。
そんな雨の中、多くの方々が参加してくださり、下重さんのお話を熱心に聞き入ります。当ギャラリーの設えに感動してくださった下重さん、まずは日本家屋の素晴らしさを解説。そして、継承する人が少なくなった日本の工芸をこれからも続けていく難しさを語ってくださいました。
そんな中で、「本当に良いものだけを身近かに置く喜びが、生きる楽しみにつながる」という事、その美意識を磨かなくてはならない事を説いてくださいます。ゆえにダンシャリがちょっとしたブームのこの時期に、何ひとつ捨てるものは無い・・・と言い切る下重さん。そんなブレない暮らしに、皆さんからはため息が。
その生き方から、今は「死ぬ時」を考えていらっしゃり、50代になったら、「考えなくてはいけない!!」そうです。人は自分の死に方を念じれば、その通りになるそうです。
この世に生まれ、大人になるに従って人は自分に責任を持って生きる。自分を信じられるように努力をしていく、それは「死」という最後の場面までをも責任を持つ事となるのでしょう。
人生の先輩に、生きる中での暮らしの本質を分かりやすく教えていただいた一日でした。


〈12月セミナー中止のお詫び〉
12月17日に予定していましたセミナー「盆庭でお正月飾り」は、作家・石川さんの体調不良のため中止とさせていただきます。期待されていた皆さんには、心よりお詫びいたします。
石川さんは、来春に「山里の春」というテーマで改めてセミナーを実施してくださるという事ですので、その時をお楽しみにお待ちください。


温かいお茶を楽しむ心の余裕を

2011年11月6日日曜日

下重暁子さんのお話会開催!!

実りの秋。ムラサキシキブも紫色の実をつけました。
何と優雅な名前でしょうか!
思わず一句詠みたくなりますね。

ノンフィクション作家/下重暁子さんとのお話会開催
テーマ「質の良い暮らしとは何か?」
長年、女性の生き方をテーマに執筆活動をしてきた下重暁子さん。
いま「モノの時代」から「質の良い暮らし」に移行してきた時代です。
下重さんの多くの経験から得た貴重なお話を伺いながら、
具体的に女性の立場から考える「暮らしの質とは何か」を探ります。
みなさんの参加をお待ちしています。
11月19日(土) 14時〜15時
参加費 無料



普段使いの食器・特別展示会
秋冬色の器が届きました。
根菜類やキノコの季節です。大きめの鍋にたっぷりの野菜を入れて、コトコトと1時間。特に出汁の肉は必要ありません。野菜からたっぷりの旨味が出て、それはそれは美味しいスープの完成です。ひとつまみの塩でお味はお好みに!!
野菜たっぷりのスープを、お洒落なスープカップに盛りつけて、フーフーいいながら食べる時は幸せ感いっぱいです。ちょっとライ麦パンなんかを添えれば、ますます満足ですね。
ついでにナチュラルチーズのオチャードも一切れ・・・。まさに口福です。


たっぷり大きなスープカップ&ソーサー 馬場浩二作
左/黒釉4600円 右/白釉4200円 

しっかりした持ち手が安心
馬場浩二作。2400円



















そして朝一番、やっぱりミルクたっぷりのカフェオーレという方には、お気に入りのマグカップはいかがでしょう?
秋には秋色のカップに変えるのがお洒落です。

秋には、いろいろお料理も作りたくなる季節。野菜をいっぱい使ってビタミン、ミネラルを十分補給。もちろんタンパク質も大切です。バラエティ豊かに食卓を彩ってください。
もうそこまで来ている冬へ、身体の準備をしましょう。
たまには、お友達を呼んで収穫祭はいかがですか?そんな時に活躍してくれそうなお皿をご紹介します。


上/信楽焼のトクサ皿。3990円。中/信楽焼のいぶし金釉皿。1990円。中下/信楽焼の白釉皿。6300円。奥田章作。下/白釉深皿。5000円。馬場浩二作。
シックに、でもシャープなテーブルコーディネイトを!!

穏やかでまったり流れる時間を
心ゆくまで・・・。

2011年10月21日金曜日

土楽窯の土鍋・人気no.1は“黒鍋”

オミナエシを短く切り織部の茶碗に
秋の日差しが降り注ぎます

焼く、炒める、煮る、蒸す、炊くができる万能土鍋
特別展示会「土楽窯の土鍋たち」も無事終了。やはり何といっても話題を呼んだお鍋は“黒鍋”でした。「焼く、炒める、煮る、蒸す、炊く」ができる黒鍋。『そんな!!土鍋があるの?』という圧倒的なお客様の声でしたが、実際に手に取っていただき、窯元7代目が執筆したレシピ本を見て、料理の創作意欲が湧き出てくる思いにかられたようです。
アメ釉の漆黒が美しい浅型黒鍋/3人用19,900円
このレシピ本が、また良くできています。どこでも入手できる材料、シンプルな手順なのに、すこぶる味が良いのです。土鍋特有の、遠赤外線の効果なのか、土鍋ゆえの火の対流の良さなのか、素材の旨味をしっかり包み込んでくれるのです。
誰が作っても「私も捨てたものでは無い!!」と言いたくなる出来映えです。
黒鍋には浅型と深型があり、どちらにするかをみなさんは悩まれました。浅型はデザイン的にシャープで、テーブルに乗せた時のプレゼンテーションは完璧でしょう。
深型は、料理を選ばず実用的といえるようです。
深型の口付黒鍋
8寸3人用10,500円
どちらもアメ釉の黒い艶は、とてもきれいですが・・・。
とても評判が良かったのでギャラリーでは、当分の間、この黒鍋を展示しています。見損なった方、このブログで気になった方は、どうぞご来店いただき、一目、見てください。





和やかに楽しんだ「普段着の茶会」

若いお嬢さんも飛び入りで
お手前を披露
ちょっと蒸し暑い日曜日の午後。デザイナー、カメラマンを始め、若い人々も参加してのお茶会を開催しました。お菓子の取り方、お茶碗の回し方など、茶道の基本の基を説明していただきながらのお席は、終止和やかにすすめられました。細かい作法への質問もたくさん頂き、指導してくださった宗恭師匠の楽しく分かりやすい解説に参加者は大きくうなずいて納得。いままで知る事が出来なかった「?」も解決、これからは突然にお茶が出されても余裕をもって一服いただけるでしょうね。
 
男性はあぐら、女性も膝を崩して
始終リラックスムード
 終了後、お客さまから『お茶が こんなに楽しいとは・・・』というお言葉をいただきました。「是非もう一 度!」という要望に応えて次回は、雛祭りの頃、華やかな設えの中で茶会を開きたいと思います。今回、チャンスを逃した方は、来年の春には是非ご参加ください。



お待たせしました!!
ノンフィクション作家 下重暁子さんとのお話会 開催!
テーマ「暮らしの質を考える」
●11月19日(土曜日)  ●時    14:00〜15:00
●参加者  20名    ●参加費  無料
参加者希望者が多いと思われますので、予約をお願いいたします。03-3411-2968
お忙しい下重さんがスケジュールを調整してくださいました。
女性の生き方、暮らしスタイルにいつも新しい提案をしてきた下重さんが、女性の豊かな暮らしとは何かを提案してくださいます。貴重なチャンスです。女性はもちろん、男性も是非参加していただきたいと思います。当日、最新の著書本にサインしていただき販売いたします。
●下重暁子プロフィール
日本ペンクラブ副会長、日本旅行作家協会会長
著書/「晩年の発見ー私に残された時間」「くちずさみたくなる名詩」「持たない暮らし」など多数。

読書の秋、文化の秋、食欲の秋
豊かな日本の秋を楽しみましょう。

2011年10月1日土曜日

土楽窯の土鍋たち

6年前に鉢植えで購入したハギが今年はすっかり大きな顔
枝先に可憐な花を咲かせてます。
夜になると肌寒いと感じるようになりました。草花たちは、ホッとした様子で夏の名残り花をつけています。庭には、嬉しそうにコウロギが跳ね、暗くなると競って鳴き始めます。


「土楽窯の土鍋たち」特別展示会開催中(10月10日まで)
ー土鍋で、炒める、焼く、煮る、炊く、蒸す ができる事、ご存知ですか?ー


黒鍋(6寸〜1尺)4,830~19,950円
アメ釉碗1,995円 ちりれんげ1,680円
気分的にはちょっと早いようですが、土鍋の特別展示会を始めました。どこの土鍋にしようかと考えた末、土鍋に良い土なら三重県・伊賀のもの、使い勝手の良いもの、デザインはシンプルで飽きのこないもの、釉薬がたっぷりかけられているもの、と言えば、やはり「土楽窯」。江戸時代に創業された「土楽窯」は、現在六代目福森雅武さんと七代目の福森道歩さんが指揮してます。道歩さんは料理の修行を長年積み上げ、「食」にも精通しています。食べる立場を理解したうえでの土鍋作りゆえに、すみずみまで神経が行き渡った土鍋は“見て良し”“使って良し”です。
ハンドル鍋(8寸〜1尺)
7,770~14,490円

ねぎぼうず無地鍋
(6寸〜1尺)
4,515~13,650円
ねぎぼうず鍋(6寸)
4,725円
土鍋は、冬の鍋物用と思われがちですが、それだけではありません。
アメ釉の黒鍋なら「炒める」「焼く」「蒸す」「炊く」「煮込む」と多彩な働きをしてくれます。
文福鍋(6寸〜1尺)
6,300~27,300円
ギャラリーには、福森道歩さんの土鍋レシピ本「スゴイぞ!土鍋」もご用意しました。ぜひ参考になさってください。

注)寸法の目安
6寸=1人用 8寸・9寸=2~3人用 1尺=4〜5人用








茶道のいろは 「普段着のお茶会」
日時/10月16日(日)  13:00  15:00  の2回
参加費/お茶、お菓子代として 1,000円

日本の伝統文化のひとつ「茶道」。いろいろ決まり事があり、馴染みが薄い方も少なくないようですが、やはり日本人なら、お茶をいただく作法の基本は知っておきたいものです。今回の茶会は、裏千家・宗恭先生が、そういった作法を楽しく解説しながらのお席です。
「何故?」や「いまさら聞けない」があったら何でも質問してください。納得できれば、茶道も余裕を持って心豊な時間を堪能できます。特に若い方に来ていただきたく、もちろん親子での参加は大歓迎です。
席数の関係上、予約をお願いします。(03−3411−2968)
散歩をしながら初秋を存分に・・・。

2011年9月26日月曜日

山岸一男さん輪島塗セミナー終了

秋の到来を告げるミズヒキの花
久しぶりに大きな台風が東京を直撃。その後、すっかり秋模様が濃くなってきました。あの夏の暑さから逃れられたという気持ちと同時に、澄んだ空気の美味しさを味わっています。庭のお地蔵さまの傍にある“ミズヒキ”の花が咲きました。ピンと枝を伸ばしたこの花には、小さいながら高貴な雰囲気を感じます。


●輪島漆芸作家 山岸一男さんを迎えて、充実したセミナーでした。

40年間、漆芸一筋の山岸一男さん。
お彼岸のお中日にも関わらず、セミナーには多くの方々が参加してくださいました。山岸さんは、日本伝統工芸展(三越本店)から駆けつけてきてくださり「おはぎ」の差し入れをいただきました。参加者の皆さんも、お墓参りを終えてからの方もいらっしゃいました。
作品に魅入られて・・・
お話は、日本においては漆が縄文土器の時代から使われていたという事から始まり、北前船によって輪島に漆文化が定着したという歴史の話。輪島という自然環境が漆に適しているなど、分かりやすく解説していただきました。そして、漆芸の技術を山岸さんの作品を実際に手にとって見ながらのお話になると、皆さんからはため息が・・・。構想から完成までにかかる歳月は、数年にもなるという事を聞いて「輪島の漆器は、安いという印象に変りました」というご意見も出ました。皆さんからの質問も次から次にと出て、和やかな時間も予定をかなりオーバーしての終了。「輪島塗の神髄を始めて知りました」という皆さんの一致した感想に、山岸さんは「一人でも、漆器を好きになってくれれば嬉しい、また来年に会いましょう」とにこやかに答えていました。
日本の工芸の魅力を、もっともっと多くの方々に知っていただきたいですね。当ギャラリーも、毎月の作家セミナーを心して実施していきますので、より多くの参加をお待ちしております。


■秋の特別展示会
〈土楽窯の土鍋たち〉 日本一の土鍋をご紹介
・9月29日(木) 〜 10月10日(月)(会期中無休)


日ごとに気温が下がってくると、ちょっと寒さの季節が気になるものです。そこで、今年の冬の食卓を彩る土鍋を、ご紹介します。伊賀の山里で代々土鍋を作り続ける“土楽窯”。多くの料理人、主婦に絶対の人気を得る土鍋で有名な窯元です。
土鍋の命である、その微妙な線の胴と厚い釉薬は、煮る、焼く、蒸すと多彩な活躍をします。また伝統ある意匠は、現代の食卓にも似合うモダンな雰囲気を。
ひとつは欲しい“土楽の土鍋”を実際に手に取って触れてみてください。
二人鍋から6人用までと、浅鍋、深鍋、グラタン皿、ポトフ鍋などの洋鍋も揃えました。
価格は、4000円〜2万円程度です。


■体験会
〈茶道のいろは〉 ー 普段着の茶会 ー
・10月16日(日)
・時間  13:30 / 15:00  の2回
・参加費 1,000円(お菓子代、茶代)
 席数の関係上、予約をお願いいたします。(03-3411-2968)


裏千家・宗恭先生による、茶道の作法や所作を楽しい解説で説明していきます。ぜひ、いまさら聞けない方、いざという時のために基本を知りたい方、若い方たちに参加していただきたい茶会です。親子で参加も大歓迎。希望者の方には、お茶を点てる体験もしていただけます。日本文化の基本をこのチャンスに知っておきませんか?

肩の力を抜いて静かな時の移ろいを味わう季節ですね。

2011年9月19日月曜日

輪島塗セミナー開催します

緑の中、ピンクの優しさがひときわ目立つコスモスです
朝晩は、しのぎやすい気候になりましたが、昼間は暑いので夏バテを抱えたまま秋バテになりそうです。でも、小さな虫たちは、夕方から元気に鳴いてくれるのできっと秋は来るのでしょう。相変わらずちょっと遅咲きのギャラリーの庭に、コスモスが咲き始めました。ソヨソヨと風に吹かれる花は可憐でいいですね。

『基本の基セミナー no.2』
[輪島塗を識る]
輪島漆芸作家  山岸一男(やまぎしかずお)
9月23日(金)  14:00〜15:00

輪島沈金家紋オーダーメイド重箱
幅150mm奥行150mm高さ150mm
21万円(税込)
工芸界で、もっとも大きな展示会である『日本伝統工芸展』(三越本店)が今年も始まります(9月22日〜)。若手にとってはこの工芸展に出品できるかどうかが登竜門となり、人間国宝の作品も一同に並ぶ日本の伝統工芸を代表する展示会です。山岸さんも出展され、その合間を見て当ギャラリーに来てくださいます。
山岸さんは、輪島生まれの輪島育ちという幼い頃から漆器を身近かにしてきた生粋の漆芸家です。漆芸もいろいろ技法がありますが、山岸さんは、沈金という技法を得意とし、その繊細で優雅な表現力があります。
ただひたすら漆工芸を作り続けてきた、その作品には見る人を魅了する不思議な世界にあふれています。



ひと彫りひと彫りに金を埋め込んでいくのが
沈金技法
当ギャラリーには、山岸さんの好意により「家紋入り三段重」をオーダーメイドでご紹介しています。
山岸さんの人柄が物語るように飾り気のないおおらかな性格から繊細ながら、優しさに溢れる表現が作品にもよく出ています。輪島塗の基本がよく分かる貴重なセミナーです。みなさまの参加をお待ちしております。









■9月29日(木)〜10月10日(月)ー期間中定休なしー
秋の特別展示会「土楽の土鍋たち
ー期間中、土鍋で炊いたお粥パーティ開催!!ー
秋を感じたらすぐに冬です。今年の冬も寒さが厳しいそうな・・・。そんな季節にはやはり鍋料理ですね。土鍋は、昔から土で作られます。その土質が土鍋の堅牢さを分けるのです。土鍋なら日本で一番と言われる「土楽窯」は、伊賀の里にある代々の窯元です。
伊賀の土と微妙な洞張具合は、鍋の味を一層引き立てる「不思議な鍋」です。蓋も伝統的なデザインからモダン系まで、取り揃えました。サイズも2人用から5人くらいまでと豊富です。その他、グラタン皿、野菜スープ鍋など洋食用の鍋もあります。ちりれんげ、取皿とその品数はたっぷり・・・。今年の冬の準備として、そろそろ鍋の取り替え時期とお考えの方は、ぜひ日本一の土鍋をご覧ください。価格は4000円〜2万円位です。

優しい午後の日差しの中でお茶を。
そんな“ゆとり”を持っていますか・・・

2011年9月2日金曜日

笠間の作家さんを訪ねて

パラパラと雨が降ったり、陽が照りつけたりの一日。歩みののろい12号台風を気にしながら、茨城県・笠間市在住の陶芸作家さんを訪ねました。あるギャラリーで一息ついていた庭先でシュウメイギクの花が咲いているのを見つけ、秋の訪れを感じたものです。

笠間の庭先で咲いていたシュウメイギク。清楚な秋の訪れです。

ここ笠間市も震災(震度6強)でかなりの被害を受けました。登窯は壊れ、棚の器はほとんどが落ちて壊れたそうです。でも、笠間の作家さんたちは元気でした。震災から半年経った今、皆さん笑顔で作品制作に意欲的です。町も平日に関わらず、水戸方面から、東京からと観光客もかなり訪れている様子。美術館もギャラリーもそれなりの人出でした。
元気な土地からは、元気な作品が生まれてくる事を信じて、3人の作家さんたちに制作依頼をお願いしました。武内雅之さん、馬場浩二さん、新井倫彦さんです。
それぞれに個性を素直に表現される作家さんで、温かく親しみのもてる作品です。寸法、厚み、柄、盛りつける料理・・・等、綿密な打合せができました。
どんな器たちが来るのか、いまから楽しみで心が浮き立つ気分です。秋から冬の使い勝手の良い器たちが、10月にはギャラリーでご紹介できます。


〈9月イベント開催のお知らせ〉

●「基本の基セミナー」輪島塗の技を識る 
●輪島装飾作家 山岸一男(やまぎしかずお)
●9月23日(金曜日) 14時〜15時
●参加者数      15名程度(早めの予約をお願いいたします)
当ギャラリーで展示している「沈金家紋入り 重箱」の作家さんです。分業に徹している輪島塗りの行程。その中でも最後の装飾を施す作家さんたちは、輪島塗りの魅力を最大限に引き出す重要な仕事です。山岸さんは、歴史ある日本伝統工芸展(三越主催)にて大賞を受賞している実力ある作家さんです。装飾技巧としては、沈金、蒔絵など幅広くその技を披露。
輪島塗という工芸品の基本をお話していただきます。

●秋の特別展示会  
●伊賀焼 土楽窯の土鍋たち
●9月27日(木曜日)〜10月10日(月曜日期間中は、定休日無し
土鍋といえば「土楽窯」と言っても過言ではないほど日本一の窯元です。その質と機能性、デザインの素晴らしさは、一度使ってみた人に言わせると「もう手放せない」という感想です。その土楽の土鍋の数々を一同に並べる特別展示会です。今年の冬は、身も心も温かくなる鍋料理を堪能してください。

夏の日差しも少し穏やかに。
気持ちも心優しくなりますように・・・。

2011年8月28日日曜日

にぎやかに藍染めセミナーが終了

庭には、オシロイバナがやっと咲き始めてくれ、お茶室のガラス越しに赤、黄、白と日ごと賑やかになってきます。


8月27日・第一回「基本の基セミナー/藍を識る」の当日、天気予報だと雨。でもその日は曇り空で、気温も26度と過ごしやすい日和でした。セミナー参加の皆さんは、少し汗ばみながらもギャラリーに来てくださいました。第一回のお話が午後1時から、第二回が3時半からのセミナー。どちらの回も15名前後の参加者で、会場には丁度良い人数だと思います。久しぶりに畳での正座は大変という事もあり、気楽に膝を崩していただきました。

藍型染め作家 吉澤啓さん 飯田市在住

藍型染め作家の吉澤啓さんは、当日の早朝に上京し、その日のうちに帰郷というハードスケジュール。飯田市と東京を片道4時間半のバス移動です。それでも新しい作品や染めに使う型紙などをたくさんに持参してくださいました。
型紙を実際に見せての説明






お話は、藍染めの歴史から布、染料の話と・・・。それも欧州の古代建築、日本の古代建築までをも織り込んだ内要で皆さんも熱心に聞いてくださいました。
特に皆さんが興味を持たれたのが、赤い染料のコチニールの話。サボテンに自生する一種の貝殻虫です。この染料はエジプト期より以前から布の染料として使われていたとか。薄絹のショールを染め上げた赤は上品で優しい色合い、年齢に関係なくお洒落の小道具として重宝する逸品ものです。
コチニールで染めた薄絹のショール。
63,000円(税込み)

藍型染めの薄絹ショール
63,000円(税込)
秋を告げる麦とトンボ柄の
両面染め絹ショール
18,900円(税込み)
絹なのに張りがあり、肩にふんわりと添ってくれます。丈も長く、幅広なので巻き方もいろいろアレンジができて、ドレスに合わせての演出が無限に広がるようです。この絹、大切に使えば200年は使えるそうです。









すっかりこの赤色と肌触りに魅了されたお客様も数人・・・、お気に入りの一点を求められました。
とても良くお似合いでアドバイスを差し上げる私も 張合いがありました。
セミナーのお話も終わり、吉澤さんに個々の質問したり、作品に触れたりと楽しいひとときの後は、コーヒーでおしゃべりやワインを楽しんでと暗くなるまで賑やかな一日でした。


■9月のセミナーは、文芸作家の下重暁子さんです。
現代の暮らしにどう工芸品を上手に取り入れていくかをお話していただきます。
現在、執筆中で忙しく日取りの予定が立ちません。決定次第お知らせいたします。
ひとつ知識が増えるのは人生の喜びです。



2011年8月19日金曜日

夏花とそば猪口

当ギャラリーの庭の花は、どうも遅咲きの様子。夏を代表する花、サルスベリがやっと満開になってくれました。花の色は普通よりも濃いようです。夏の暑さに耐えて一生懸命咲くこの花の姿は、毎年、私にちょっと勇気を与えてくれます。そう言えば、このサルスベリも樹齢50年。年輪を重ねた輝き・・・、ますます勇気をもらえます。

この数日間、異常な暑さでした。毎年、毎年、気温が高くなるのを体感しながら、このままいくとどうなるかとちょっとした恐怖も感じます。そういえば小学生の頃、地球の地殻変動によって、いつかハワイ島と日本列島はつながる・・・と聞いた記憶があります。子供心に「それじゃ、いつでも海外旅行なのだ」と、脳天気な事を考えたものです。まだ、日本は海外旅行が自由化になっていない、昔、昔のお話です。
さて、この暑さの中どうしてもメニューは麺類になりがちです。そこで現在、ギャラリーにあるそば猪口にもなる器をご紹介いたします。

そば猪口といえば染付け。有田焼の代名詞となっている古伊万里の絵柄を配した器は、王道をいくものです。白地に藍の文様は、涼やかにしっとり食卓を演出してくれますし、たっぷりに麺つゆを入れた様が似合います。しかも丈夫なのがいいですね。長い間使っても飽きがこないそば猪口です。
●貴祥窯作 7665円
口径78mm×高さ67mm


やはり有田の瑠璃釉の器。美しい海の青さをしみじみと思わせてくれる瑠璃釉には、不思議に引き込まれる魅力があります。真っ白な素麺や氷を浮かした冷や麦などに供すると、夏だからこその演出ができます。薬味のネギやミョウガ、錦糸卵などが映える器です。
●坂本達哉作 4700円
口径105mm×高さ70mm




粉引きの器は、何の食材にも合う重宝なものです。ご飯茶碗にもなるような大振りのこの器には、具材の多い麺類の時に最適なサイズです。たっぷり青味の野菜、鶏肉の蒸し物などを添えたザルうどんを召し上がると、その旨味も倍となるでしょう。
●新美吉昭作 5250円
口径105mm×高さ65mm




もうひとつ大振りの器は、織部ですが、内側は穏やかな表情です。この織部の特徴は薄く引かれた肌触りが、とても優雅な気持ちにさせてくれます。見た目より軽く、しっくり掌に収まる形態が、暖かみある安心感をもたせてくれます。ご飯茶碗として使うなら、玄米がしっくり合いそうですね。
●新美吉昭作 5250円
口径96mm×高さ74mm



今年は残暑が厳しいそうです。ひとつお気に入りの器でさらりと旨い麺料理を食べましょう。西日に輝くサルスベリの花を眺めながら・・・。日本の夏ですね。
器のお問い合わせはメールにてお願いします。
石仏は暑さにめげず穏やかに手を合わせます。
感謝の気持ちを忘れたくありませんね。