2011年9月26日月曜日

山岸一男さん輪島塗セミナー終了

秋の到来を告げるミズヒキの花
久しぶりに大きな台風が東京を直撃。その後、すっかり秋模様が濃くなってきました。あの夏の暑さから逃れられたという気持ちと同時に、澄んだ空気の美味しさを味わっています。庭のお地蔵さまの傍にある“ミズヒキ”の花が咲きました。ピンと枝を伸ばしたこの花には、小さいながら高貴な雰囲気を感じます。


●輪島漆芸作家 山岸一男さんを迎えて、充実したセミナーでした。

40年間、漆芸一筋の山岸一男さん。
お彼岸のお中日にも関わらず、セミナーには多くの方々が参加してくださいました。山岸さんは、日本伝統工芸展(三越本店)から駆けつけてきてくださり「おはぎ」の差し入れをいただきました。参加者の皆さんも、お墓参りを終えてからの方もいらっしゃいました。
作品に魅入られて・・・
お話は、日本においては漆が縄文土器の時代から使われていたという事から始まり、北前船によって輪島に漆文化が定着したという歴史の話。輪島という自然環境が漆に適しているなど、分かりやすく解説していただきました。そして、漆芸の技術を山岸さんの作品を実際に手にとって見ながらのお話になると、皆さんからはため息が・・・。構想から完成までにかかる歳月は、数年にもなるという事を聞いて「輪島の漆器は、安いという印象に変りました」というご意見も出ました。皆さんからの質問も次から次にと出て、和やかな時間も予定をかなりオーバーしての終了。「輪島塗の神髄を始めて知りました」という皆さんの一致した感想に、山岸さんは「一人でも、漆器を好きになってくれれば嬉しい、また来年に会いましょう」とにこやかに答えていました。
日本の工芸の魅力を、もっともっと多くの方々に知っていただきたいですね。当ギャラリーも、毎月の作家セミナーを心して実施していきますので、より多くの参加をお待ちしております。


■秋の特別展示会
〈土楽窯の土鍋たち〉 日本一の土鍋をご紹介
・9月29日(木) 〜 10月10日(月)(会期中無休)


日ごとに気温が下がってくると、ちょっと寒さの季節が気になるものです。そこで、今年の冬の食卓を彩る土鍋を、ご紹介します。伊賀の山里で代々土鍋を作り続ける“土楽窯”。多くの料理人、主婦に絶対の人気を得る土鍋で有名な窯元です。
土鍋の命である、その微妙な線の胴と厚い釉薬は、煮る、焼く、蒸すと多彩な活躍をします。また伝統ある意匠は、現代の食卓にも似合うモダンな雰囲気を。
ひとつは欲しい“土楽の土鍋”を実際に手に取って触れてみてください。
二人鍋から6人用までと、浅鍋、深鍋、グラタン皿、ポトフ鍋などの洋鍋も揃えました。
価格は、4000円〜2万円程度です。


■体験会
〈茶道のいろは〉 ー 普段着の茶会 ー
・10月16日(日)
・時間  13:30 / 15:00  の2回
・参加費 1,000円(お菓子代、茶代)
 席数の関係上、予約をお願いいたします。(03-3411-2968)


裏千家・宗恭先生による、茶道の作法や所作を楽しい解説で説明していきます。ぜひ、いまさら聞けない方、いざという時のために基本を知りたい方、若い方たちに参加していただきたい茶会です。親子で参加も大歓迎。希望者の方には、お茶を点てる体験もしていただけます。日本文化の基本をこのチャンスに知っておきませんか?

肩の力を抜いて静かな時の移ろいを味わう季節ですね。

2011年9月19日月曜日

輪島塗セミナー開催します

緑の中、ピンクの優しさがひときわ目立つコスモスです
朝晩は、しのぎやすい気候になりましたが、昼間は暑いので夏バテを抱えたまま秋バテになりそうです。でも、小さな虫たちは、夕方から元気に鳴いてくれるのできっと秋は来るのでしょう。相変わらずちょっと遅咲きのギャラリーの庭に、コスモスが咲き始めました。ソヨソヨと風に吹かれる花は可憐でいいですね。

『基本の基セミナー no.2』
[輪島塗を識る]
輪島漆芸作家  山岸一男(やまぎしかずお)
9月23日(金)  14:00〜15:00

輪島沈金家紋オーダーメイド重箱
幅150mm奥行150mm高さ150mm
21万円(税込)
工芸界で、もっとも大きな展示会である『日本伝統工芸展』(三越本店)が今年も始まります(9月22日〜)。若手にとってはこの工芸展に出品できるかどうかが登竜門となり、人間国宝の作品も一同に並ぶ日本の伝統工芸を代表する展示会です。山岸さんも出展され、その合間を見て当ギャラリーに来てくださいます。
山岸さんは、輪島生まれの輪島育ちという幼い頃から漆器を身近かにしてきた生粋の漆芸家です。漆芸もいろいろ技法がありますが、山岸さんは、沈金という技法を得意とし、その繊細で優雅な表現力があります。
ただひたすら漆工芸を作り続けてきた、その作品には見る人を魅了する不思議な世界にあふれています。



ひと彫りひと彫りに金を埋め込んでいくのが
沈金技法
当ギャラリーには、山岸さんの好意により「家紋入り三段重」をオーダーメイドでご紹介しています。
山岸さんの人柄が物語るように飾り気のないおおらかな性格から繊細ながら、優しさに溢れる表現が作品にもよく出ています。輪島塗の基本がよく分かる貴重なセミナーです。みなさまの参加をお待ちしております。









■9月29日(木)〜10月10日(月)ー期間中定休なしー
秋の特別展示会「土楽の土鍋たち
ー期間中、土鍋で炊いたお粥パーティ開催!!ー
秋を感じたらすぐに冬です。今年の冬も寒さが厳しいそうな・・・。そんな季節にはやはり鍋料理ですね。土鍋は、昔から土で作られます。その土質が土鍋の堅牢さを分けるのです。土鍋なら日本で一番と言われる「土楽窯」は、伊賀の里にある代々の窯元です。
伊賀の土と微妙な洞張具合は、鍋の味を一層引き立てる「不思議な鍋」です。蓋も伝統的なデザインからモダン系まで、取り揃えました。サイズも2人用から5人くらいまでと豊富です。その他、グラタン皿、野菜スープ鍋など洋食用の鍋もあります。ちりれんげ、取皿とその品数はたっぷり・・・。今年の冬の準備として、そろそろ鍋の取り替え時期とお考えの方は、ぜひ日本一の土鍋をご覧ください。価格は4000円〜2万円位です。

優しい午後の日差しの中でお茶を。
そんな“ゆとり”を持っていますか・・・

2011年9月2日金曜日

笠間の作家さんを訪ねて

パラパラと雨が降ったり、陽が照りつけたりの一日。歩みののろい12号台風を気にしながら、茨城県・笠間市在住の陶芸作家さんを訪ねました。あるギャラリーで一息ついていた庭先でシュウメイギクの花が咲いているのを見つけ、秋の訪れを感じたものです。

笠間の庭先で咲いていたシュウメイギク。清楚な秋の訪れです。

ここ笠間市も震災(震度6強)でかなりの被害を受けました。登窯は壊れ、棚の器はほとんどが落ちて壊れたそうです。でも、笠間の作家さんたちは元気でした。震災から半年経った今、皆さん笑顔で作品制作に意欲的です。町も平日に関わらず、水戸方面から、東京からと観光客もかなり訪れている様子。美術館もギャラリーもそれなりの人出でした。
元気な土地からは、元気な作品が生まれてくる事を信じて、3人の作家さんたちに制作依頼をお願いしました。武内雅之さん、馬場浩二さん、新井倫彦さんです。
それぞれに個性を素直に表現される作家さんで、温かく親しみのもてる作品です。寸法、厚み、柄、盛りつける料理・・・等、綿密な打合せができました。
どんな器たちが来るのか、いまから楽しみで心が浮き立つ気分です。秋から冬の使い勝手の良い器たちが、10月にはギャラリーでご紹介できます。


〈9月イベント開催のお知らせ〉

●「基本の基セミナー」輪島塗の技を識る 
●輪島装飾作家 山岸一男(やまぎしかずお)
●9月23日(金曜日) 14時〜15時
●参加者数      15名程度(早めの予約をお願いいたします)
当ギャラリーで展示している「沈金家紋入り 重箱」の作家さんです。分業に徹している輪島塗りの行程。その中でも最後の装飾を施す作家さんたちは、輪島塗りの魅力を最大限に引き出す重要な仕事です。山岸さんは、歴史ある日本伝統工芸展(三越主催)にて大賞を受賞している実力ある作家さんです。装飾技巧としては、沈金、蒔絵など幅広くその技を披露。
輪島塗という工芸品の基本をお話していただきます。

●秋の特別展示会  
●伊賀焼 土楽窯の土鍋たち
●9月27日(木曜日)〜10月10日(月曜日期間中は、定休日無し
土鍋といえば「土楽窯」と言っても過言ではないほど日本一の窯元です。その質と機能性、デザインの素晴らしさは、一度使ってみた人に言わせると「もう手放せない」という感想です。その土楽の土鍋の数々を一同に並べる特別展示会です。今年の冬は、身も心も温かくなる鍋料理を堪能してください。

夏の日差しも少し穏やかに。
気持ちも心優しくなりますように・・・。